「この服、可愛い!」
お気に入りのショップで、つい手に取ってしまう、トレンド感満載の洋服たち。
試着室の鏡の前で、新しい自分にワクワクする気持ち。
わかります、その気持ち。
私だって、ファストファッションが大好きです。
毎シーズン変わるトレンドを気軽に楽しめて、お財布にも優しい。
クローゼットを開けるたびに、色とりどりの服たちが語りかけてくるようで、毎日のコーディネートを考えるのも楽しみの一つです。
でも、その一方で、心の中に小さなモヤモヤが生まれてしまうのも事実です。
「この服、一体どこで作られたんだろう?」
「こんなに安いけど、誰がどうやって作っているんだろう?」
「流行遅れになったら、この服はどこへ行くんだろう?」
そんな疑問が頭をよぎるたびに、素直にファッションを楽しめなくなってしまう自分がいます。
大学で国際関係学を学んでいた頃、私はバングラデシュの縫製工場で働く女性たちにインタビューする機会がありました。
彼女たちは、劣悪な環境で長時間労働を強いられながらも、家族を養うために懸命に働いていました。
薄暗い工場内には、ミシンの音が響き渡り、窓からは埃っぽい空気が入り込んでくる。
そんな場所で、彼女たちは朝から晩まで、私たちが普段着ている服を作っているのです。
また、ガーナのスラム街を訪れた際には、大量の古着が山積みになっている光景を目の当たりにしました。
先進国で捨てられた服が、海を越えてこの地に流れ着き、環境汚染を引き起こしているのです。
これらの経験は、私にとって大きな衝撃でした。
そして、ファストファッションの裏側にある問題を、もっと多くの人に知ってもらいたいと強く思うようになりました。
今、私はフリーランスライターとして、社会問題を発信する立場から、ファストファッションの光と影を、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。
目次
ファストファッションの光と影
安くて可愛いトレンド服が簡単に手に入る!
ファストファッションの魅力は、何と言ってもその圧倒的なコストパフォーマンスです。
毎週のように新作が登場し、常に最新のトレンドを反映したデザインが、驚くほどリーズナブルな価格で手に入ります。
SNSで話題のインフルエンサーが着ている服を、翌日にはもう自分が着ている。
そんな夢のような体験を可能にしたファストファッションは、私たちのファッションに対する考え方を大きく変えました。
「ファッションは一部の富裕層だけのもの」という概念を打ち破り、誰もが気軽にオシャレを楽しめる時代を切り開いたのです。
しかし、その裏には一体何が…?
でも、その裏には一体何が…?
しかし、その輝かしい舞台裏には、目を背けたくなるような現実が隠されています。
低賃金で長時間労働を強いられる労働者、劣悪な労働環境、環境汚染、大量廃棄…。
私たちがファストファッションを楽しむ裏で、多くの人々や地球環境が犠牲になっているのです。
例えば、2013年にバングラデシュで起きたラナ・プラザ崩壊事故。
1,000人以上の死者を出したこの悲劇は、ファストファッション業界の闇を世界に知らしめるきっかけとなりました。
劣悪な環境で働く労働者たちの安全が無視され、利益追求が優先される現実を、私たちは突きつけられたのです。
服を作る人々の過酷な労働環境
低賃金、長時間労働…劣悪な環境の実態
ファストファッションの低価格を実現するためには、生産コストを徹底的に抑える必要があります。
そのしわ寄せを受けるのが、主に発展途上国で働く労働者たちです。
彼らは、劣悪な環境で長時間労働を強いられ、健康を害するリスクにさらされています。
バングラデシュの縫製工場では、月収わずか数千円の労働者が、1日14時間以上もミシンに向かっているという報告もあります。
休憩時間もほとんど与えられず、トイレに行くことさえ許されないこともあるといいます。
また、工場内の換気や照明は不十分で、粉塵や有害物質が充満していることも珍しくありません。
こうした劣悪な環境で長時間労働を続けることで、労働者たちは呼吸器疾患や視力低下、精神的なストレスなど、様々な健康被害に苦しんでいます。
生産現場で働く人々の声なき声
低賃金で働く人々は、生活のために長時間労働を余儀なくされています。
家族を養うために、危険な環境でも働き続けなければなりません。
彼らの声は、私たちにはなかなか届きません。
しかし、私たちが安い服を手に取るたびに、彼らの犠牲の上に成り立っていることを忘れてはなりません。
彼らは、私たちと同じように、夢や希望を持った人間です。
しかし、ファストファッションという巨大なシステムの中で、彼らの声はかき消され、搾取され続けているのです。
環境への深刻な影響
大量生産、大量廃棄が生む環境問題
ファストファッションは、大量生産・大量消費のビジネスモデルです。
トレンドがすぐに移り変わるため、服は短期間で捨てられ、新たな服が生産されます。
このサイクルは、大量の廃棄物を生み出し、環境に深刻な影響を与えています。
例えば、ジーンズ1本を作るために必要な水の量は、なんと約7,500リットル。
これは、人が10年間で飲む水の量に相当します。
また、服の生産過程で排出される有害物質は、土壌や水質を汚染し、生態系を破壊します。
私たちが何気なく捨てている服が、地球を蝕んでいるのです。
ファッション業界が抱える環境負荷の大きさ
国連環境計画(UNEP)によると、ファッション業界は世界の温室効果ガス排出量の10%を占めています。
これは、国際線と海運を合わせた排出量よりも多い数字です。
また、衣類の生産には大量の水が使われ、その過程で有害な化学物質が環境中に排出されます。
例えば、綿花栽培には大量の農薬が使われ、それが土壌や水質を汚染しています。
また、ポリエステルなどの合成繊維は、石油由来の原料から作られ、その生産過程で大量の二酸化炭素が排出されます。
私たちがファストファッションを消費するたびに、地球温暖化や環境汚染に加担していると言えるでしょう。
あなたにできること
エシカルなファッションブランドを選ぶ
エシカルファッションとは、人や環境に配慮して作られたファッションのことです。
フェアトレードやオーガニックコットンなど、サステナビリティを意識したブランドを選ぶことで、生産者や環境への負担を減らすことができます。
例えば、「ピープル・ツリー」や「Patagonia」といったブランドは、エシカルな取り組みで知られています。
ピープル・ツリーは、フェアトレードによって途上国の生産者と公正な取引を行い、彼らの生活向上を支援しています。
また、Patagoniaは、リサイクル素材の使用や環境負荷の少ない生産方法を積極的に導入しています。
これらのブランドの服を選ぶことは、単に服を買うだけでなく、より良い社会や環境を作るための行動と言えるでしょう。
古着やリサイクル品を活用する
古着やリサイクル品を購入することは、新たな資源の消費を抑え、廃棄物の削減にもつながります。
古着には一点物の魅力もあり、自分だけのスタイルを楽しむことができます。
最近では、オンラインの古着ショップやフリマアプリも充実しているので、手軽に古着を手に入れることができます。
また、不要になった服をリサイクルに出すことも大切です。
多くのブランドが、自社製品の回収やリサイクルに取り組んでいます。
不要になった服をリサイクルに出すことで、新たな資源として活用することができます。
消費行動を見直す
本当に必要な服だけを購入する、長く愛用できる品質の良い服を選ぶなど、消費行動を見直すことも重要です。
安いからといって衝動買いせず、本当に気に入った服だけを大切に長く着るように心がけましょう。
また、最近ではレンタルサービスを利用する人も増えています。
必要な時に必要な服を借りることで、無駄な消費を抑えることができます。
また、カナルオンラインなどの情報ブログでは、ファストファッションの問題点やエシカルなファッションブランドの情報などが発信されています。
これらの情報に触れることで、私たち一人ひとりが、より良い選択をすることができるようになるでしょう。
まとめ
ファストファッションは、私たちの生活を豊かにしてくれる一方で、多くの問題を抱えています。
この記事で紹介したように、「カナルオンライン」などの情報ブログでも、ファストファッションの問題について詳しく解説されています。
ぜひ一度、これらの記事を読んでみてください。
そして、私たち一人ひとりが、この問題について考え、行動していくことが大切です。
小さな一歩かもしれませんが、それが未来を変える大きな力になるはずです。
例えば、今日からでも、服を買う前に「本当に必要か?」「長く着られるか?」と自問自答してみませんか?
そして、エシカルなブランドや古着を選ぶことを意識してみませんか?
私たちが賢い消費者になることで、ファストファッション業界も変わっていくはずです。
地球と人々にとって優しいファッションを、一緒に目指しましょう。
最終更新日 2024年6月11日 by hlodgi