「子どもの歯医者はどこがいいんやろ」。
鶴見区のママ友と話していると、この話題がかなりの確率で出てきます。
そして話は決まって「自分の歯もずっと放ったらかしで」と続きます。
はじめまして、大阪市鶴見区で暮らしているライターの森下さやかです。
大阪市内の一般歯科で歯科衛生士として10年働き、出産を機に退職しました。
いまは小学2年生と年中の男の子を育てながら、暮らしや子育て、お口のケアの記事を書いています。
鶴見区は、大阪市24区の中で子どもの割合がいちばん高い区です。
大阪市の「推計人口年報(令和6年)」によると、0〜14歳の割合は13.5%で24区中トップでした。
1世帯あたりの人数も2.21人で、24区の中で最も多くなっています。
子育て世帯が多いぶん、歯医者の選択肢も口コミもたくさんあります。
ただ、看板や口コミだけでは、子連れで通いやすいかどうかまではわかりません。
この記事では、衛生士として診療室の内側を見てきた経験と、2人の子を連れて歯医者を探した経験をもとに、私が実際に確認している5つのポイントをまとめました。
これから歯医者を探す方の参考になればうれしいです。
目次
子どもは9割が健診へ。親は5割台にとどまる
最初に、少し気になるデータを紹介します。
厚生労働省の「令和6年 歯科疾患実態調査」では、この1年間に歯科健診を受けた人の割合を年代別に集計しています。
| 年代 | 歯科健診を受けた人の割合 |
|---|---|
| 5〜9歳 | 96.6% |
| 10〜14歳 | 95.2% |
| 30〜34歳 | 55.5% |
| 35〜39歳 | 59.5% |
子育て中かどうかで分けた集計ではないので、この表だけで理由まではわかりません。
それでも、子どもは学校健診などで9割以上が歯を診てもらっているのに対し、親世代は半分ほどにとどまっています。
私のまわりを見ても、子どもの定期検診には欠かさず連れて行くのに、自分の詰め物が取れたままという人は珍しくありません。
理由を聞くと「子どもを預けるところがないから」がいちばん多いです。
子連れにやさしい歯医者を探すなら、子どもの治療のしやすさだけでなく、親が自分の治療を受けやすいかどうかも見ておきたいところです。
そのうえで、私が確認しているのは次の5つです。
| ポイント | 確認すること |
|---|---|
| 1. 入りやすさ | ベビーカーのまま入れるか、子どもと一緒に診療室に入れるか |
| 2. 慣らし | いきなり治療せず、慣れるところから始めてくれるか |
| 3. 衛生管理 | 器具の滅菌について具体的に書かれているか |
| 4. 急なケガ | 歯をぶつけたときに当日相談できるか |
| 5. 通いやすさ | 予約、駐車場、医療費の負担で無理がないか |
ポイント1 ベビーカーのまま、子どもと一緒に診療室まで入れるか
下の子が赤ちゃんのころ、歯医者の入口で困ったことが何度かあります。
階段しかない、玄関で靴を脱いでスリッパに履き替える、ベビーカーは外に置いてくださいと言われる。
どれも小さなことですが、抱っこひもに赤ちゃん、手には上の子という状態だと、これだけで行く気がなくなります。
ホームページでは、次のような言葉を探してみてください。
- 入口にスロープがある、段差がない
- 院内が土足でよい
- ベビーカーのまま待合室や診療室に入れる
- おむつ交換台やおむつ替えのスペースがある
- 子どもと一緒に入れる個室の診療室がある
親自身の治療を後回しにしないために
5つの中でも私がいちばん気にしているのは、最後の「子どもと一緒に入れる診療室」です。
待合室のキッズスペースだけだと、親が治療を受けている間、子どもは待合室にひとりで残ることになります。
小さい子だとまず無理です。
診療室の中にキッズスペースがあったり、ベビーカーを横に置いたまま治療を受けられたりすると、子どもの姿が見える状態で自分の治療に集中できます。
託児サービスがあるかどうかと合わせて、予約の電話で「子どもを連れて行っても大丈夫ですか」と一言聞いておくと安心です。
ポイント2 いきなり削らず、慣れるところから始めてくれるか
衛生士をしていたころ、初めての歯医者で押さえつけられて治療を受けた子が、そのあと何年も歯医者を嫌がるようになったという話を保護者の方からよく聞きました。
最初の数回の印象は、その後の通いやすさをかなり左右します。
痛みが出ているときや、ケガをしたときは別です。
そうでない場合は、次のような進め方をしてくれる医院だと、子どもの負担が少なくなります。
- 初回は診療台に座る、器具を見る、触ってみるといった「慣らし」から始める
- 歯みがきの練習やフッ素塗布など、痛くないことから始める
- 子どもの様子を見ながら、治療を何回かに分けてくれる
- 保護者に、今日は何をしたか、次に何をするかを説明してくれる
わが家の上の子も、最初の2回は診療台に座ってうがいをしただけで帰ってきました。
それでも3回目には自分から口を開けてくれて、「無理にさせなくてよかった」と思ったのを覚えています。
受診を始める時期も迷うところです。
大阪市では1歳6か月児健診と3歳児健診で歯科健診があり、希望すればフッ素塗布も受けられます。
これとは別に、歯が生えはじめたころから歯医者で相談できるようにしておくと、歯医者に行くこと自体に早いうちから慣れられます。
「小児歯科」の看板と専門医は別のもの
医療法の決まりでは、歯科医院は「小児歯科」という診療科名を掲げられます。
一方、「小児歯科専門医」は日本小児歯科学会が認定する資格で、看板とは別のものです。
専門医がいる医院は、学会のホームページで地域ごとに検索できます。
私自身は、発達の特性があって通常の診療が難しいときや、大きな治療が必要なときに専門医を探すようにしています。
日々のフッ素塗布や定期検診は、家族みんなで続けて通える近所の医院にお願いしています。
ポイント3 器具の滅菌をどこまで徹底しているか
元衛生士として、ここは必ず見ます。
歯科の治療では、唾液や血液にふれる器具をたくさん使います。
中でも気をつけたいのが、歯を削るときに使う「ハンドピース」と呼ばれる器具です。
中が細い管になっていて、表面を拭くだけでは内側まできれいになりません。
厚生労働省の院内感染対策のページに掲載されている指針でも、ハンドピースは患者ごとに交換し、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)、可能ならクラスBのオートクレーブで滅菌することが強く勧められています。
クラスBは、ヨーロッパの規格で最も幅広い器具に対応する区分です。
中が空洞になった器具や、袋に入れた状態の器具まで滅菌できます。
ホームページで衛生管理の説明を探すときは、次のような具体的な書き方があるかを見てみてください。
- 滅菌器の種類(クラスBなど)が書かれている
- 器具を患者ごとに交換・滅菌していると書かれている
- 器具を滅菌パックに入れて保管し、使う直前に開けている
- 紙コップやエプロンなど、使い捨てにできるものは使い捨てにしている
「清潔です」「感染対策をしています」とだけ書かれている場合、具体的に何をしているかはわかりません。
ここを写真つきで説明している医院は、それだけ衛生管理を大事にしていると受け取っています。
ポイント4 転んで歯をぶつけたときに頼れるか
男の子2人を育てていると、ケガはつきものです。
上の子は4歳のとき、公園の遊具から落ちて前歯をぶつけました。
口のまわりが血だらけになっていて、私も一瞬固まってしまいました。
そのときに困ったのが「どこに連れて行けばいいのか」でした。
かかりつけの歯医者がケガにも対応してくれるかどうか、それまで確かめていなかったんです。
日本歯科医師会の「歯の外傷」のページには、次のような応急処置がまとめられています。
- 頭痛や吐き気、めまいがあるときは、歯より先に脳外科などを受診する
- 歯ぐきから出血しているときは、ガーゼなどで押さえて止血する
- 大きく欠けたときは、早めに歯医者を受診する
- 歯が抜けたときは、歯を「歯の保存液」か「牛乳」につけるか、ラップなどに包んで、できるだけ早く受診する(できれば受傷後30分以内の処置が望ましい)
30分という時間を考えると、家から近い医院が外傷に対応してくれるかは、ケガをする前に確認しておきたいところです。
ホームページに外傷への対応が書かれているか、急患の受け入れについて案内があるかを見ておきましょう。
歯の保存液は薬局で買えるので、救急箱にひとつ入れておくと安心です。
ポイント5 無理なく通い続けられるか
子どもの歯医者は、治療が終わっても定期検診で何年も通います。
だからこそ、家からの距離や予約の取りやすさは軽く見られません。
私が確認しているのは次のようなところです。
- 自転車や徒歩で通える距離か、車なら駐車場が何台あるか
- 平日の夕方や土曜日に診療しているか
- WEB予約ができるか、それは初診だけか、再診も使えるか
- 家族の予約をまとめて取れるか
- 子どもの急な発熱で予約を変えるとき、連絡しやすいか
駐車場は「あり」と書いてあっても、台数が少ないことがあります。
車で通うつもりなら、台数や近くのコインパーキングも調べておくと当日あわてずにすみます。
医療費の負担も、通い続けられるかどうかに関わります。
大阪市のこども医療費助成では、0歳から18歳(18歳になった後の最初の3月31日)までの子どもが対象で、保険診療の自己負担は1医療機関につき1日最大500円、月2日までです。
同じ医療機関でも「歯科」と「歯科以外」は別に計算され、令和6年4月からは所得制限もなくなりました。
ただし、保険がきかない治療や自費の処置は助成の対象外です。
フッ素塗布なども、医院によっては自費になることがあるので、気になる場合は受付で確認しておきましょう。
5つのポイントで横堤歯科クリニックを見てみると
ここまでのポイントを、鶴見区諸口にある横堤歯科クリニックに当てはめてみました。
公式ホームページに書かれている内容をもとにまとめています。
| ポイント | 横堤歯科クリニックの公式情報 |
|---|---|
| 1. 入りやすさ | 入口にスロープがあり院内は土足でOK。ベビーカーのまま入れる診療室と、子どもと一緒に入れる個室(個室内にキッズスペース)がある。おむつ交換台あり |
| 2. 慣らし | 公式ブログに、子どもの治療は基本的に無理やりしない、まず歯医者に慣れてもらうことを第一に考えていると書かれている |
| 3. 衛生管理 | クラスBの滅菌器を導入。治療に使う基本セットは患者ごとに使う直前に滅菌パックから開封 |
| 4. 急なケガ | 学校や公園で転んで歯が折れたといった事故の外傷にも対応。緊急時は連絡すれば当日の案内も可能 |
| 5. 通いやすさ | 横堤駅から徒歩4分。平日は18時30分まで、土曜は午後も診療(休診は木曜午後・日曜・祝日)。初診はWEB予約可、駐車場は医院横に1台 |
私がとくに注目したのは、よくある質問に「保護者の方が診察されている間、個室内のキッズスペースでお子様にはお過ごしいただけます」と書かれているところです。
ポイント1で書いた「親が自分の治療を受けられるか」に、はっきり答えてくれています。
医療情報サイトに掲載されている院長インタビューでは、最初の乳歯が生えたら一度相談してほしいこと、必要に応じてトレーニングから始めて少しずつ慣れてもらうことが語られていました。
院長は口腔外科の出身で、歯が折れた、抜けたといったケガのときも優先して対応すると話しています。
いくつか、事前に知っておきたい点もあります。
WEB予約は初めての方専用で、2回目以降は電話での予約です。
駐車場は1台分なので、車で行くなら電話で空きを聞いておくと安心です。
また、保育士による託児の記載はないため、子どもを見ていてほしい場合は予約のときに相談してみてください。
診療時間やアクセスなどの最新情報は、横堤歯科クリニックの公式ホームページで確認できます。
まとめ
子連れで通う歯医者を選ぶとき、私が見ているのは次の5つです。
- ベビーカーのまま入れて、子どもと一緒に診療室に入れるか
- いきなり治療せず、慣れるところから始めてくれるか
- 器具の滅菌について具体的に説明しているか
- 歯をぶつけたときに、すぐ相談できるか
- 予約や駐車場、医療費の面で無理なく通い続けられるか
子どもの歯を守ろうとするほど、親の歯は後回しになりがちです。
でも、親子で同じ医院に通えるようになると、子どもの検診のついでに自分も診てもらえて、気持ちがずいぶん楽になります。
ケガをしてから慌てて探すより、元気なうちに「ここなら通える」という医院をひとつ決めておくほうが安心です。
この記事が、鶴見区でかかりつけの歯医者を探すときの参考になればうれしいです。
最終更新日 2026年9月24日 by hlodgi



